酒井邦嘉さんコメント
『チョムスキーと言語脳科学』の著者、酒井邦嘉です。
チョムスキーには何度かお会いしたことがあるのですが、私から見ても学者の中の学者というか、非常に物静かで、自分の考えを積み上げて、余分なことは言わないで、非常に理路整然と論を組み立てる名人という感じの方です。
私はそのチョムスキーの理論を脳科学で実証しようという研究をずっと続けてきています。
人間の脳は全体で動いている訳はなくて、左脳と右脳に大きく分けたとして、言語の場合にはほぼ左脳を使っています。その中でも人間で特に発達しているのが前頭葉ですが、前頭葉のある部分(下前頭回)に「文法中枢」という文法の処理に特化した領域があり人間の最も重要な機能を司っているのだということを突き止めました。
人間の言語というのが自然科学としての裏付けがあるということを分かっていただけたら嬉しいです。