著者
久住 祐一郎(くすみ ゆういちろう)
豊橋市美術博物館学芸員。1984年、新潟県生まれ。岡山大学教育学部卒業。同大学院社会文化科学研究科博士前期課程修了。豊橋市二川宿本陣資料館学芸員を経て現職。交通史学会常任委員。主要論文に「東海道二川宿における商家の経営と地域金融」(『三河―交流からみる地域形成とその変容―』雄山閣)、「大河内松平氏時代の吉田城」(『三河吉田城』 戎光祥出版)。
久住 祐一郎
天保12(1841)年、病気の藩主に代わって江戸から国元の三河吉田(豊橋)への参勤交代を命じられた若殿・松平信宝(のぶとみ)。若殿にとっては初めてのお国入りである。
この参勤交代の準備を仰せつかったのが目付役の大嶋左源太。
しかし、決まらない日程、馬に乗れない老家臣、ダブルブッキング、初のお国入りの理想と財政難という現実……次々と問題が持ち上がる。左源太は、若殿を無事に出発させることができるのか?
磯田道史氏、推薦!
「三河吉田藩の若殿様が参勤交代をした時の詳細な記録が発見された。この古文書をもとに参勤交代の驚くべき実情が明らかにされる」
担当編集者より
この本は、三河吉田藩の目付役をつとめた大嶋左源太が書き残した古文書をもとに書かれました。
みなさんは参勤交代の集合時間が何時だったかご存知でしょうか?
左源太の『御道中日記』によると、「夜九時(ここのつどき)」。
つまり「真夜中0時」集合です。そこから日の出前に江戸を出発し、40キロ以上歩いて宿泊場所の戸塚に到着するのが夕方6時。
この事実を知った時、武士に憧れのようなものを抱いていた私はちょっとショックを受けました。
「18時間連続勤務。ブラックすぎる……。武士、無理」と思ったのです。
このように古文書は、私たちに「働く武士のリアル」を教えてくれます。
著者の久住さんは、古文書が大好きな歴史専門学芸員です。
本書執筆にあたり、地元の豊橋だけでなく、国立公文書館や江戸東京博物館などにも足を運んで幕府や三河吉田藩に関連する古文書にあたってくれました。まさに「渉猟」という言葉がぴったり、たくさんの古文書の読み解きに挑んでくれました。
そして、昨夏「三河屋の面白いエピソードをみつけました!」とキラキラした瞳で報告してくれました。三河屋というのは今でいうところの旅行代理店のようなものです。江戸時代にすでに旅行代理店があったのは驚きですが、さて、そのエピソードとは……。本書でぜひご確認下さい。
定価 | 本体840円+税 |
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発売日 | 2019年04月05日 |
ジャンル | 歴史・地理 |
書名(カナ) | ミカワヨシダハンオクニイリドウチュウキ |
新書判 | 240ページ |
ISBN | 978-4-7976-8036-2 |
Cコード | C0221 |
久住 祐一郎(くすみ ゆういちろう)
豊橋市美術博物館学芸員。1984年、新潟県生まれ。岡山大学教育学部卒業。同大学院社会文化科学研究科博士前期課程修了。豊橋市二川宿本陣資料館学芸員を経て現職。交通史学会常任委員。主要論文に「東海道二川宿における商家の経営と地域金融」(『三河―交流からみる地域形成とその変容―』雄山閣)、「大河内松平氏時代の吉田城」(『三河吉田城』 戎光祥出版)。