古澤明さんコメント

このたび、インターナショナル新書から『光の量子コンピューター』という本を出させていただきます、古澤 明と申します。
私は光を用いた量子コンピューターの研究をしております。
この量子コンピューターの方式は、いろいろある方式の中で一番だと思っています。
詳しくは、この本をぜひご覧ください。よろしくお願いいたします。

書影
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インターナショナル新書 035

『光の量子コンピューター』

古澤明

作品紹介

未来技術の大本命・光の量子コンピューターが動きはじめる!

およそ100年も昔に提唱された、ミクロの世界を記述する量子力学。 この量子力学に特有の奇妙な性質を利用できれば、今までの常識でははかりしれないテクノロジーが誕生するものと期待されている。その最たるものが、スーパーコンピューターをはるかに凌ぐ超高速大規模計算をこなしながら、消費電力は微々たるものという量子コンピューターだ。その実現へ向けて、世界中の研究機関や大学などがさまざまな方法を考案し、模索を続けているが、どれも解決困難な問題が山積しているのが実情である。
対して、筆者が独自に開発している“光”を使う方式は、どの難題も解決し得るうえ、実現へ向けた具体的な理論構築において独走状態にある。そんな開発競争のトップに立つ著者が、光の量子コンピューターと、そこへ続く通過点となる数々の研究成果を解説する。
量子コンピューターの実現は、すでに夢ではない。

担当編集者より

「量子力学をわかっていると言う人は、量子力学をわかっていない」という有名な言葉があります。ミクロの世界では、私たちの直感に反した不思議な現象が起こりますが、なぜそのようなことが起こるのかは、わかりません。
しかし、著者・古澤 明先生はこう言います。「量子力学の性質を利用するのに解釈や理屈は必要ない」と。なぜそうなるのかはひとまず脇に置いて、ルールに基づいて、それを上手に利用できれば、途轍もないことができるはずだということです。同時に、量子力学をあたりまえのツールと捉えている自身たちを「量子ネイティブ」と称している点も印象的でした。
著者は「光の申し子」のごとく光を操り、世界が驚嘆する成果を次々と挙げ続けています。その一つひとつは、量子ネイティブたちの究極目標である量子コンピューター実現への着実な布石です。現在のコンピューターを「古典コンピューター」と呼ばなければならないほどの性能をもつ量子コンピューター。実用化されれば、おのずと世界は一変するでしょう。
「誰も真似できません」と語る自信が示す通り、著者は量子コンピューターの研究において他の追随を許さない独走状態にあります。オリジナリティーにあふれ、さらなる不思議の深淵へ導かれていく内容の数々は、驚きの連鎖です。そんな臨場感が詰め込まれた本書で、本当の最先端科学に触れていただけたら幸いです。

定価 本体780円+税
発売日 2019年02月07日
ジャンル 科学
書名(カナ) ヒカリノリョウシコンピューター
新書判 192ページ
ISBN 978-4-7976-8035-5
Cコード C0295

著者

写真写真

古澤明(ふるさわ あきら)

物理学者。1961年、埼玉県生まれ。1984年、東京大学工学部物理工学科卒業。1986年、同大学大学院工学系研究科物理工学専攻修士課程修了、株式会社ニコン入社。東京大学先端科学技術研究センター研究員、カリフォルニア工科大学客員研究員、東京大学大学院工学系研究科助教授を経て、2007年から東京大学大学院工学系研究科教授。著書に『量子テレポーテーション』『量子もつれとは何か』(共に講談社ブルーバックス)などがある。

好評既刊

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