池谷敏郎さんコメント
私が医院長をつとめる池谷医院は東京の西の端、都心から電車や車で一時間半くらいかかる場所にあります。それでも、何とか体の悩みを解決するために遠方からはるばるお越しくださる方がとても多いんです。そのような方々の特徴は、すでに専門の医療機関にかかっており、治療も受けているということ。しかし、診断を受け、それに見合った治療を受けているはずなのに、一向に症状が快方へ向かわないという方は少なくありません。その結果、不安を抱き、主治医への不信感から医療機関を転々と渡り歩いてしまう「病院難民」が確実に増え続けていきます。
このような方々を診察するなかで気づいたのは、深刻な病気を患っている方はごくわずかで、ほとんどの患者さんは考え方を変えてあげるだけで、その苦痛から解放されるということです。そんなケースを何百、何千と診るうちに、私が普段クリニックで行っている問診や対処法を一冊の本にまとめて読んでいただけるといいんじゃないか、と思ったわけです。
病気になりたくないと思っても、病院と無縁で生涯を終えることができる人はごくわずかです。医師や病院と上手に付き合うための「読む処方箋」として本書を役立てていただけますと幸いです。