書影
  • tweet
  • facebook
  • google plus
  • hatena
インターナショナル新書 027

『驚くべきCIAの世論操作』

ニコラス・スカウ/伊藤 真 訳

作品紹介

ジャーナリストを脅迫、麻薬密売を容認、ハリウッド映画で史実をねじ曲げ……ここまでやるのかCIA!?

自らの非合法行為を隠蔽し、それを暴こうとするジャーナリストを陥れ、偽りのイメージで世論を操作するCIA。ハリウッド映画にも影響力をもち、アカデミー賞受賞作品『アルゴ』ではCIAを美化するために史実をねじ曲げた。そうしたCIAによるメディア操作の驚くべき実態を、調査報道ジャーナリストが暴く。日本でも政府の情報隠蔽やメディアへの圧力が取り沙汰されている今、真実を見極める目を養うための必読の書。

立ち読み

日本語版へのまえがき~目次
第一章

担当編集者より

著者のニコラス・スカウ氏は調査報道ジャーナリストとして、これまで数々のCIAの闇を暴いてきました。ゲイリー・ウェッブというジャーナリストを描いた『Kill the Messenger』という作品もスカウ氏の著作です。ウェッブはニカラグアの反政府組織「コントラ」の麻薬密売にCIAが関与していることを暴いたがゆえにCIAに追い詰められ、自ら命を絶ってしまいました。これは映画にもなっています。
今回、スカウ氏は「ビンラディン殺害の真相」や、「CIAと大手新聞メディアとの情報交換」、「キューバのグアンタナモ収容所のイメージ操作」、「CIAとハリウッドの密接な関係」などをテーマに、いかにCIAが偽りのイメージを流布し、世論を操作しているのか、といったことに迫っています。
この本を日本で、まさに今、出版することにとても意義を感じています。
政府による度重なる情報隠蔽、メディアの政権への忖度。本書の中で書かれているCIAと米メディアの関係と全く同じような状況が、今、日本でも起きています。
海の向こうの映画『アルゴ』を観て、英雄的なCIAの姿に魅せられてしまうように、知らず知らずのうちに自国の政府によって考え方を植え付けられていないか?今一度深く考えてみる機会が必要なのではないでしょうか?
まずはアメリカで起きているCIAの世論操作の実態を冷静に知ることで、日本国内での世論操作に備えておきたいと、一国民として願うばかりです。
ちなみにスカウ氏は、学生時代に日本語を学んでいたことがあるということで、今回の邦訳版をとても喜んでおられ、あらゆる面で多大なるご協力をいただきました。

定価 本体760円+税
発売日 2018年8月7日
ジャンル 社会・政治
書名(カナ) オドロクベキシーアイエーノヨロンソウサ
新書判 256ページ
ISBN 978-4-7976-8027-0
Cコード C0231

著者

写真1写真1

ニコラス・スカウ (にこらす・すかう)

"調査報道ジャーナリスト。1970年、アメリカ・ネバダ州リノ生まれ。『オレンジ・カウンティ-・ウィークリー』編集長。『LAウィークリー』『ワシントン・ペーパー』などにも寄稿。ヒッピー文化をテーマにしたOrange Sunshine、CIAに圧殺されるジャーナリストを描いたKill the Messengerなどの著作がある。Kill the Messengerはのちにマイケル・クエスタ監督により映画化された。


訳者:伊藤 真(いとう まこと)

1965年、東京都生まれ。国際情勢、現代史などのノンフィクション作品を中心に翻訳。訳書にビル・ブライソン『アメリカを変えた夏1927年』(白水社)など多数。"

好評既刊

pagetop