マーク・ピーターセンさんコメント

これまでに私が書いてきた本と較べると、『英語のこころ』は読み物っぽいところのある本です。「多様性」や「性と愛」、「コミュニティー」といったテーマについて考えながらの執筆は、自分にとってとても刺激的なものでした。英語で話すにしても、日本語で話すにしても、自分の考えを正確に表現するためには、心の細やかな動きについても考える必要があります。そのようなことを考えながら、この本を執筆しました。言葉に興味がある方には、ぜひ読んでいただきたいと思います。

書影
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インターナショナル新書 024

『英語のこころ』

マーク・ピーターセン

作品紹介

あの『日本人の英語』のマーク先生が、あなたの英語に革命を起こす!

 漱石の『こころ』の文体は英語の影響を受けている!? なぜ小説のタイトル『こころ』はheartと訳せないのか? 多様性を表すdiversityとvarietyの微妙な違いとは? 「ピリピリ」「ぱたぱた」などの擬態語・擬音語は英語で表せるのか? 「放射線」と「放射能」は英語でどう書き分けるのか? Lost Generationは「失われた世代」と訳してはいけない!?
 小説の一節、ニュース記事、映画のセリフ、スタンダード曲の歌詞などを題材に、英語表現に秘められた繊細さと美しさを楽しく読み解き、社会、政治、文化の本質に言葉の観点から鋭くせまる。
 英語と日本語、そしてその背景にある文化に精通した著者だからこそ伝えられる本物の英語的発想。

担当編集者より

 ついに待望のマーク先生の新書が完成しました。日本人には説明できなかった冠詞や時制の問題を分かりやすく説いた『日本人の英語』(岩波新書)を、最高の英語参考書にあげる人はたくさんいます。1988年に刊行され、現在まで30年にわたって読み継がれているこの超ロングセラーを、私も大学生のときに読んで、「目から鱗がいっぱい落ちる」感覚を味わいました。
 この『英語のこころ』でも、ひとつの英単語や文法・慣用表現を考えることによって、その背景にある社会・政治の本質的な問題、はたまた男女の関係の機微まで話題が広がっていくという、マーク先生節が縦横無尽に展開されます。
 日本語にもこだわりのある先生は、「塩梅」「色気」「おっとり」などの、我々がその意味をあまり深く考えることのない「純和風」の日本語も取り上げ、英語との比較・言い換えを試みます。そして、それを読むことで、英語だけでなく、日本語の感覚も研ぎすまされていく感覚を味わうことができます。英語の深い世界にいざなってくれる1冊です!

定価 本体700円+税
発売日 2018年04月06日
ジャンル 教育・心理
書名(カナ) エイゴノココロ
新書判 176ページ
ISBN 978-4-7976-8024-9
Cコード C0282

著者

写真写真

マーク・ピーターセン(まーく・ぴーたーせん)

金沢星稜大学人文学部教授。明治大学名誉教授。1946年、アメリカ・ウィスコンシン州生まれ。コロラド大学で英文学、ワシントン大学大学院で近代日本文学を専攻。主な著書に『日本人の英語はなぜ間違うのか?』『なぜ、その英語では通じないのか?』(ともに集英社インターナショナル)、『日本人の英語』『続 日本人の英語』『心にとどく英語』『実践 日本人の英語(すべて岩波新書)、『日本人が誤解する英語』(光文社知恵の森文庫)、『表現のための実践ロイヤル英文法』(共著/旺文社)などがある。

好評既刊

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