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インターナショナル新書 015

『戦争と農業』

藤原辰史

作品紹介

二十世紀以降の戦争や政治が変質している根っこには、効率を重視した食の仕組み、それを支える農業の仕組みがあった!

農業技術の発展は、戦争のあり方をも変えた。トラクターは戦車に、化学肥料は火薬に。逆に毒ガスは平和利用の名のもと、農薬に転用される。本来、人間の食を豊かにするはずのテクノロジーの発展が、現実には人々の争いを加速させ、飽食と飢餓が共存する不条理な世界を生み出している。この状況を変えるために、わたしたちにできることを考える。

担当編集者より

「農業はいつも地味ですが、唯一、熱狂されるときがあります。それは戦争のときです」。ある講義で聴いた藤原先生の言葉が忘れられませんでした。でも農業と戦争がどう繋がるのか、すぐにはわかりません。あらためて、研究室や滋賀県のキャンプ場などで「食堂付属大学」と名付けられた講義をしてもらいました。「おわりに」にあるように、講義が主ではなく、食事がメインの会で、身体と頭の両方に栄養がいきわたりました。内容は、農業から戦争、政治、飢餓、教育など幅広いのですが、すべては繋がっています。優しい語り口だけど、ときにドキッとさせられる。その集大成が本書です。忙しくて、最近ちゃんとした食事をしていないという人に、ぜひ読んでいただきたいと思います。

定価 本体720円+税
発売日 2017年10月6日
ジャンル 社会
書名(カナ) センソウトノウギョウ
新書判 208ページ
ISBN 978-4-7976-8015-7
Cコード C0236

著者

写真写真

藤原辰史(ふじはらたつし)

京都大学人文科学研究所准教授。1976年、北海道生まれ。京都大学大学院人間・環境学研究科博士後期課程中途退学。京都大学人文科学研究所助手、東京大学大学院農学生命科学研究科講師を経て現職。専門は農業技術史、食の思想史、環境史、ドイツ現代史。著書に『カブラの冬』(人文書院)、『稲の大東亜共栄圏』(吉川弘文館)、『[決定版]ナチスのキッチン』(河合隼雄学芸賞受賞)、『食べること考えること』(共に共和国)、『トラクターの世界史』(中公新書)など。


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